コレクション展(第3期:6月17日〔火〕〜7月21日〔日〕)

東京藝術大学大学美術館 展示室1
2008年4月10日(木)〜7月21日(祝・月)

出品リスト

1 古画・日本画   *すべて第3期(6月17日〔火〕〜7月21日〔日〕)のみ展示

近年の調査により、「徒然草画巻」の中に、天明期に活躍した浮世絵師である鳥居清長(1752-1815)の肉筆画が含まれていることが判明しました。
鳥居清長は喜多川歌麿とならぶ江戸時代の美人画の名手で、すらりとした長身の女性像は「江戸のビーナス」とも呼ばれています。
肉筆画は30点ほどしか残っておらず、今回の作品は、ほとんど現存する作例が残されていない50歳代のものとみられています。

徒然草画巻
《源誓上人絵伝》
花鳥図屏風
(伝)狩野元信《花鳥図屏風
荒木寛畝《
四季の雨(夏)(夏) 四季の雨(春)(春)
四季の雨(冬)(冬) 四季の雨(秋)(秋)
横山大観《四季の雨》(春) (夏) (秋) (冬)
伊藤深水《銀河祭り
西村五雲《日照雨
山口蓬春《市場
柴田是真《千種之間天井綴織下図》(河骨[コウホネ]・山梔子[サンシシ])

2 西洋画        ○=重要文化財   ※=第3期のみ展示

鮭
高橋由一《》 ○
靴屋の親爺
原田直次郎《靴屋の親爺》 ○
ユリウス・エクステル《肖像(自画像)
黒田清輝《婦人像(厨房)
白滝幾之助《稽古
岡田三郎助《セーヌ河上流の景
藤島武二《ヨット
久米桂一郎《夏の夕(鎌倉)
梅原龍三郎《裸婦デッサン》※
梅原龍三郎《裸婦デッサン》※
香月泰男《
杉全直《たかげた

3 特集展示 東京美術学校とバウハウス――建築家、図案科卒業制作から――

水沢武彦《三美術家倶楽部
山脇巖《工場地に建つ演劇研究所
岡百寿《住宅群
吉村順三《住宅群
梅田良雄《バウシウレ
池辺義敦《近代意匠図案(或室内ノ構想)
橋本貫一《五種の寝室図案
渡辺守治《図案形成への基本的考察

4 特集展示 菊池一雄とその周辺

 2008年は、本学彫刻科教授であった菊池一雄(1908-1985)の生誕100年に当たり ます。この機会に当館では菊池一雄を特集展示することとなりました。
 菊池一雄は二科会の番衆技塾で藤川勇造に彫刻を学び、東京帝国大学文学部在 学中から二科会に出品しました。昭和11年(1936)には渡欧し、ロダンの弟子で あるデスピオに師事、帰国後には新制作派協会会員となりました。戦後には裸像 を中心とした野外モニュメントを次々と手がけ、従来の写実に同時代の感性を盛 り込んだ、戦後具象彫刻を代表する存在となりました。
 また、菊池は昭和22年(1947)に本学彫刻科平櫛教室の非常勤講師として赴任 してから昭和51年(1976)に定年退官するまでの長きに渡り、彫刻科での教育に 主導的な役割を果たしてきました。彼の制作者として、そして教育者としての業 績を回顧するために、この特集展示では、所蔵品から、初期から後期までの作品 群を展示することによって、この彫刻家の経歴を辿ります。これとともに、菊池 に強い影響を与えた師の藤川勇造や、同じく番衆技塾で近しい存在であった堀内 正和、さらに本学彫刻科において菊池とともに活躍し、学んだ彫刻家の作品も取 り上げます。
 これらの展示によって、作家としての、そして芸大での教育者としての菊池の 活動をご覧いただければ幸いです。

菊池一雄《
藤川勇造《朝露
菊池一雄《青年像
菊池一雄《ギリシャの男
菊池一雄《
菊池一雄《坐 V
菊池一雄《プチダルマ
堀内正和《三つの立方体E
山本豊市《うずくまる女
伊東傀《青年の首
淀井敏夫《ローマの公園
細川宗英《道元
澄川喜一《MASK

5 新収蔵品紹介(1)

 これらの下絵は、山崎覚太郎長男の山崎一三氏より、平成18年度に寄贈された 一括資料の一部です。
 山崎覚太郎は大正8年(1919)富山県立工芸学校漆工科卒業後、13年に東京美 術学校漆工科を卒業、15年東京美術学校助教授、昭和18年(1943)東京美術学校助 教授兼工芸技術講習所教授を務めました。日展と現代工芸展において指導的役割 を果たし、昭和32年(1957)に日本芸術院会員、41年(1966)に文化功労者とな り、昭和時代を通じて漆芸界における「革新」のリーダーとして多大な足跡を残 しました。
 作品の多くは色漆による大胆な動植物をデフォルメしたものですが、今回寄贈 された資料は、その構図を練る間の様々な段階のスケッチや図案で、日展出品作 を含んでいます。漆芸作品として完成される前の、作家の生き生きした線描を示 すものや、モチーフの配置を試行錯誤するための工夫もみられ、山崎覚太郎研究 にとって欠かせない貴重な資料といえます。
 今回展示しているものは、「群猿」(1971年作、個人蔵、第3回日展出品)お よび「瞬」(1975年作、個人蔵、第7回日展出品)のための下絵です。

山崎覚太郎《山崎覚太郎下絵》

6 工芸

竹虎蒔絵鼓胴
尾形乾山《銹絵染付山水図鉢
色絵八手文平鉢
色絵八手文平鉢
加納夏雄《牡丹ニ桜片切彫手板
加納夏雄《紫陽花ニ筍片切彫手板
加納夏雄《紅葉ニ菊片切彫手板
加納夏雄《水仙ニ京菜片切彫手板
清水南山《十二神将図額
鳳凰香炉
香取秀真《鳳凰香炉
石田英一《銅製群兎置物
内藤四郎《柳文銀壺
川之辺一朗《初音蒔絵模造手板
川之辺一朗《初音蒔絵模造手板
辻村松華《羅漢柏葉散し蒔絵盆
山崎覚太郎《不動之冊子箱
ピアノとルリ鳥蒔絵盃
田口善国《ピアノとルリ鳥蒔絵盃
高橋節郎《木瓜蒔絵屏風
松田権六《鶺鴒文大棗
濱田庄司《柿釉青白流描角鉢
板谷波山《彩磁花卉文花瓶
富本憲吉《色絵四弁花文角飾筥
三浦小平二《焼しめ花瓶「マサイ」》
岩田藤七《硝子金彩茶碗
岩田藤七《硝子銀彩茶碗
藤田喬平《紅白梅

7 新収蔵品紹介(2)

前田寛治《音楽家 田村熊蔵》
山喜多二郎太《静物》
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